今回は、iPhoneやiPad、その他スマホ単体で使用可能な低遅延のワイヤレスイヤホンを5つ紹介します。FPSや音ゲー用にイヤホンを探している方に最適です。
低遅延と言えば「aptX LL(Low Latency)」と呼ばれるコーデック※に対応した製品が一般的です。しかし、スマホなどの親機とイヤホン両方が対応する必要があり、ドングルやアダプターを別途購入しなければなりません。
※コーデック:スマホ→イヤホンにBluetoothで音声データを送信する際の圧縮方式であり、種類によって「音質」「遅延」に違いが出ます。詳しく知りたい方は以下記事をご覧下さい。
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本稿で紹介するのは、aptX LL非対応なのに低遅延を実現しているワイヤレスイヤホンです。
低遅延とは?
ワイヤレスイヤホンに必ず発生する「映像と音声のズレ」が70ms未満である場合、本稿では低遅延と定義します。理由は、人間の耳が70ms以上で遅延を感じ始めるためです。
ストレスなく動画やゲームを楽しむには、この遅延を如何に少なくするかが重要になります。
従来のイヤホンに多い「SBC」や「AAC」コーデックでは、動画はギリギリ見れたもののFPSや音ゲーで使うには遅延が大きく実用的ではありませんでした。しかし、近年のBluetoothの進化に伴い、SBCやAACでも低遅延にできる技術が開発されています。
Razer「Hammerhead True Wireless」
SBC/AACコーデック対応で遅延60msを実現した低遅延の完全ワイヤレスイヤホンです。Bluetooth 5.0搭載で音途切れしにくい接続安定性も兼ね備えています。
付属の充電ケースを併用すれば最大16時間も使用でき、満充電にしておけば1日の中でバッテリー切れには殆どなりません。
カラーもブラック、ピンク、ホワイトと豊富なので選び甲斐があります。
Razer「Hammerhead True Wireless Pro」
上記で紹介したHammerheadシリーズの「Pro」モデルであり、ANC(アクティブノイズキャンセリング)を搭載しています。φ10mmの大口径ドライバーを搭載し迫力ある低音が特徴であり、ANCによるノイズ低減とも相性バッチリです。
Hammerhead True Wireless同様、遅延は60msなのでゲームや動画を低遅延で楽しめます。
また、シネマティックオーディオの専門家による試験をクリアしており、THX認定を受けています。リッチでバランスの取れた音質でゲームへの臨場感を高めてくれます。
2021年1月現在、国内では未だ発売されていません。アメリカでは発売済みであり、海外ゲーマーにとって非常に人気のワイヤレスイヤホンとなっています。国内向けの発売まで気長に待ちましょう。
NUARL「N6 Sports」
iOS端末でも低遅延なワイヤレス通信が可能な「ゲーミングモード」を搭載しています。イヤホンのボタン操作により、音楽・ゲームモードを瞬時に切り替えられます。
イヤホン単体で連続10時間使用でき、充電ケースを併用すれば最大60時間という規格外の使用時間を誇ります。
高遮音性の「Block Ear+」、低遮音性の「Track Ear+」イヤーピースが付属されており、環境に応じて切り替えましょう。家で集中したいときはBlock Ear+、外出先ではTrack Ear+といった使い方ができます。
Saramonic「GAMESONIC SR-BH60」
プロ用オーディオとして世界的に評価されているSaramonicのゲーム用イヤホンであり、SBCやAACでも60msの低遅延を実現しています。
サラウンドにも対応し、FPSなどで足音や銃声の位置を把握したいプレイヤーにもおすすめのワイヤレスイヤホンです。
オーディオテクニカ「ATH-SQ1TW」
ゲームやアニメを長時間楽しむために設計されたワイヤレスイヤホンです。低遅延のLow Latency Modeが搭載されているだけでなく、非常に小型で耳が小さい女性や子供でも負担が少ないフィット感を実現したモデルです。
オシャレなスクエアデザインと6色のカラー展開により、オシャレに気を遣う女性をターゲットにした製品となっています。
スペック比較
製品名 | Razer Hammerhead True Wireless |
Razer Hammerhead True Wireless Pro |
NUARL N6 Sports |
Saramonic GAMESONIC SR-BH60 |
オーテク ATH-SQ1TW |
ドライバー | φ13mm | φ10mm | φ6mm | φ8mm | φ5.8mm |
周波数帯域 | 20~20,000Hz | 20~20,000Hz | 20~20,000Hz | 20~20,000Hz | 20~20,000Hz |
Bluetooth | 5.0 | 5.0 | 5.2 | – | 5.0 |
コーデック | SBC/AAC | SBC/AAC | SBC/AAC/apt X/aptX Adaptive | – | SBC |
連続使用時間 | – | 4時間 | 10時間 | 7時間 | 6.5時間 |
最大使用時間 充電ケース込 |
15時間 | 20時間 | 60時間 | 24時間 | 19.5時間 |
発売日 | 2019年 12月20日 |
国内未定 | 2020年 11月27日 |
2021年 1月23日 |
2020年 10月16日 |
価格 | 9,980円 (税込) |
– | 12,100円 (税込) |
12,000円 前後 |
9,680円 (税込) |
まとめ
以上、iPhoneなどのiOS端末やAndroid端末でも手軽に使用可能な低遅延ワイヤレスイヤホンを紹介していきました。
ゲーミング製品を出しているメーカーからはRazerが積極的に製品開発を行っている印象です。NUARLやオーテクは純粋なオーディオメーカーですが、ユーザーの要望に応じて低遅延イヤホンも開発しているようですね。
実は、SBCやAACコーデックで低遅延を実現しているイヤホンは少なく、発売日も2020年末から徐々に増えている印象です。今後に期待が掛かります。
aptX LL対応のスマホやDAP、アダプターなどを持っていなく、スマホだけでゲームや動画を楽しみたい人は、今回紹介した製品をどれでもよいので使ってみてほしいです。
ワイヤレスに対する印象が大きく変わると思います。
aptX LL対応のアダプター等を所持しており、PS5やPCで低遅延ワイヤレスイヤホンをお探しの方は以下記事がおすすめです。
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