評価 | 3.7 |
本稿では、2020年8月に発売されたUrbanistaの完全ワイヤレスイヤホン「STOCKHOLM PLUS」のレビューをお届けします。
2019年に発売されたSTOCKHOLMの後継機であり、接続安定性や充電ケースのバッテリーなどが強化された製品です。メーカー小売価格9,680円(税込)であり、カナル型の圧迫感が苦手で、音の空間表現を楽しみたい人にオススメのインナーイヤー型イヤホンです。
製品仕様とスペック
Bluetooth | Ver.5.0 |
ドライバーサイズ | φ12mm |
周波数帯域 | 20~20,000Hz |
対応コーデック | SBC,AAC |
インピーダンス | 32Ω±15% |
感度 | 107dB±3dB |
SN比 | 91dB±3dB |
連続再生時間 | 約3.5時間 |
最大再生時間 充電ケース込 |
約20時間 |
充電時間 | 約1.5時間 |
カラーラインナップはTitaniumも含めたの5カラーであり、本レビューは「Fluffy Cloud(ホワイト)」で行っています。ちなみにカラーによる性能違いはありません。
Olive GreenやRose Goldのような淡い色だけでなく、高級感のあるBlackやTitaniumも捨てがたいです。
イヤホンと充電ケースともにサラサラとした質感であり、触っているだけで心地よくなります。少し滑りやすいので落とさないように注意が必要です。
パッケージと内容物
パッケージは至ってシンプルな形状。イヤホンは原寸大なので店頭で見たときに大きさを把握しやすいです。
内容物はUrbanista STOCKHOLM PLUS本体、充電ケース、USB-TypeCケーブル、取扱説明書となります。
メイン性能
■超軽量4g
イヤホン片側で超軽量4gであり、付けている感覚がほとんどありません。インナーイヤー型と相まって、耳への負荷が無くずっと付けていられます。
カナル型のように耳道までしっかり装着するタイプのイヤホンは独特の閉塞感があり、苦手な人は意外と多いです。そんな方でも付けやすい超軽量インナーイヤー型です。
個人的にこのイヤホンで一番気に入った点であり、他のイヤホンにはない最高の付け心地を体感できます。
ちなみに充電ケースも41gと軽量なので持ち運びに向いています。
■豊富なタッチコントロール
音量調節や曲送りだけでなく、ボイスアシスタント起動なども全てタッチコントロールで行えます。スマホ側操作が不要でタッチの反応も速く、使い勝手のいい操作感です。
タッチコントロールで出来ることは以下の通りです。
操作内容 | タッチコントール操作 |
ボイスアシスタントON | 右側イヤホンのロゴを2回タッチ |
ボイスアシスタントOFF | 右側イヤホンのロゴを2回タッチ |
音楽再生 | 左側イヤホンのロゴを2回タッチ |
音楽一時停止 | 左側イヤホンのロゴを2回タッチ |
音量up | 右側イヤホンのロゴを1回タッチ |
音量down | 左側イヤホンのロゴを1回タッチ |
曲送り | 右側イヤホンのロゴを2秒タッチ |
曲戻し | 左側イヤホンのロゴを2秒タッチ |
■IPX4防水性能
インナーイヤー型にもかかわらず、IPX4の防水性能を満足しています。雨天時でも気にせず使うことができます。
IPX4は「水しぶきを受けても有害な損傷を受けないレベル」のため、水道水で直接洗ったりすることは推奨されていません。
カナル型は耳垢などで汚れやすいですが、インナーイヤー型は凹凸が少なくサッと拭けるメリットもあります。
■磁石式の充電ケース
メーカー側で推奨されていませんが、充電ケースが磁石式となっているので、様々な場所にくっつけることができます。貼り付ける癖をつければ紛失を防止できそうです。
ちなみに磁石式になっているのは、urbanistaのロゴが入っている部分のみです。
パフォーマンス
■音質
高音域 | |
中音域 | |
低音域 | |
解像度 | |
迫力 | |
音場感 |
一番の特徴は音が響くような空間表現です。耳道を塞がないインナーイヤー型だからこその音の響きであり、色々な楽器で音の広がり方を楽しめます。個人的にはギターやピアノと相性が良いなと感じました。
インナーイヤー型の弱点として、音が抜けやすく低音が弱くなることがあります。しかし、Urbanista STOCKHOLM PLUSは、低音域も程よくあり迫力も感じることができます。
一点注意したいのは、音量を上げ過ぎると音割れが発生することです。これは極端に上げた場合のみなので、普通に聴く分には問題ありません。
■遮音性
遮音性 |
インナーイヤー型なので、外部からの音が入ってきやすいです。自動車の走行音もよく聞こえ、外でも安全に使用できます。
ただ、大きめの音量で音楽を聴いていても、外への音漏れは防げている印象でした(AppleのAirpodsと比べて)。電車などの閉鎖空間でも周りを気にせず、自分の好きな音量でリスニングできます。
外からの音は聴きやすく、外への音漏れを防いでいる面白い設計がなされている印象です。
■フィット感
フィット感 |
上記でも記載しましたが、フィット感が素晴らしく「付けている感覚がほとんど無い」という表現が正しいと思います。軽さは正義だと改めて実感しました。
耳への違和感が全くないので、映画や動画を長時間ストレスなく聴くことに長けている思いました。
耳道を塞ぐカナル型と異なるのでスポーツ仕様には向いていません。ウォーキング程度なら問題ないですが、ランニングだと耳からズレることが多々ありました。
■バッテリー
バッテリー |
イヤホン単体で約3~4時間連続で使用できました。このイヤホンの付け心地を考えるともう少し長時間に対応して欲しかったです。
私は作業中などもガッツリ使うことが多く、5,6時間くらい連続で使用することもあります。軽さを実現するためにバッテリー性能を削ったと解釈することにします…。
充電ケースが満充電状態であれば、イヤホン5回分の電力を溜められます。最大20時間使えるため外使いでバッテリー切れになる心配はなさそうです。
Urbanista LONDON同様、充電ケースにインジケーターがあり、ケースを開閉することで充電状態を確認できる仕様です。
■接続安定性
接続安定性 |
朝夜の通勤時に山手線を利用するので、満員電車環境で検証を実施。前回のUrbanista LONDONと同様に音途切れや接続切れになることはありませんでした。
iPhone(AAC)との相性も良く、屋内で3~4時間フルに使っていても接続は安定します。
最初にペアリングしておけば、その後は充電ケースから取り出すだけで勝手に接続してくれます。毎日使うイヤホンだからこそ、この接続しやすさは重宝します。
ちなみにペアリング自体も充電ケースからイヤホンを取り出し、スマホ側で「Urbanista Stockholm」を選択するだけなので非常に簡単です。
■遅延
遅延 |
Urbanista LONDON同様、FPSや音ゲーでは映像と音に遅延を感じることがあります。ただ、映画やYoutubeの動画を楽しむ分には全く影響ないので安心して下さい。
対応コーデックがSBCとAACなので、ゲーム用にイヤホンをお探しの人はaptX LLに対応した低遅延モデルを選ぶといいでしょう。
評価一覧
高音域 | 3.5 |
中音域 | 3.5 |
低音域 | 3.5 |
解像度 | 3.0 |
迫力 | 4.0 |
音場感 | 4.5 |
遮音性 | 3.5 |
フィット感 | 4.5 |
バッテリー | 3.0 |
接続安定性 | 4.5 |
遅延 | 3.0 |
総合評価 | 3.7 |
まとめ
インナーイヤー型の空間表現が得意なイヤホンというのが第一印象です。そして使っていくうちに「付けている感覚のなさ」に驚きます。イヤホンというより耳付近にスピーカーを置いているように感じます。
また、タッチコントロール精度がいいので、イヤホンだけでほとんどの操作が行えます。わざわざスマホを取り出す煩わしさもありません。
9,680円と初心者でも手を出しやすい価格設定です。カナル型は複数持ってるけど、インナーイヤー型も試したいという方にも良いと思います。