評価 | 4.0 |
本稿では、2020年8月に発売されたUrbanistaの完全ワイヤレスイヤホン「LONDON」のレビューをお届けします。
以下のような豊富な機能だけでなく、音質やバッテリー、接続安定性など細かくレビューしていきます。メーカー小売価格15,800円(税別)とミドルクラスの価格帯であり、ワイヤレスイヤホンを初めて買う方にもおすすめできるスペックを持っています。
- アクティブノイズキャンセリング (ANC)
- アンビエントサウンド
- ワイヤレス充電対応
- 耳検出機能(自動再生/停止)
- IPX4の防水性能
製品仕様とスペック
Bluetooth | Ver.5.0 |
ドライバーサイズ | φ10mm |
周波数帯域 | 20~20,000Hz |
対応コーデック | SBC,AAC |
インピーダンス | 16Ω±15% |
感度 | 107dB±3dB |
SN比 | 91dB |
連続再生時間 | 約5時間 |
最大再生時間 充電ケース込 |
約25時間 |
充電時間 | 約1時間 |
豊富なカラーラインナップもUrbanista LONDONの魅力となります。全部で5カラーであり、本レビューは「ローズゴールド」で行っています。ちなみにカラーによる性能違いはありません。
※Titaniumのみ新色であり、2020年12月発売となります
イヤホンと充電ケースともに質感は「マット」に近く、皮脂などで汚れにくくなっています。
パッケージと内容物
パッケージは高級感のある触り心地が特徴的です。写真では分かりにくいですが、イヤホンと充電ケース部分が少しだけ膨らんでいる立体仕様となっています。
内容物はUrbanista LONDON本体、充電ケース、USB-TypeCケーブル、イヤーピース(S/M/Lサイズ)、取扱説明書となります。
メイン機能
■アクティブノイズキャンセリング(ANC)
喋り声や電車の走行音といった「ノイズ」を低減できますが、完全に消すことはできません。あくまで音質に違和感を与えないレベルとなります。他社の強力なANCは、ノイズを消すことに力を入れ過ぎて音質が劣化する傾向があります。
Urbanista LONDONは、ANCと音質のバランスが上手く取れている印象を受けました。私の体感では、ANCをONにするとノイズを1/5程度にしてくれます。
イヤホン(右耳側)のUrbanistaロゴを長押しするとANCのON/OFFを切替えられます。
■アンビエントサウンド
ANCと異なり音楽を聴きながら周囲の音を取り入れる外音取込み機能です。音量を下げることなく、会話したり自動車の走行音を取り入れることができます。
正直私自身は使う頻度が少ないですが、IPX4の防水性能と相まって、ランニング時に向いている機能だと思いました。
イヤホン(左耳側)のUrbanistaロゴを長押しするとアンビエントサウンドのON/OFFを切替えられます。
■耳検出機能
イヤホン装着や取り外しを検出する機能であり、音楽を自動で再生/停止してくれます。この機能が本当に便利であり、スマホ側で操作する必要はありません。
一度ペアリングしておけば、充電ケースからイヤホンを取り出して装着するだけで音楽を自動で再生してくれます。このスムーズでシンプルに音楽を楽しめる仕様こそワイヤレスイヤホンには必要と言えます。
イヤーピース付近にセンサーがあるため、装着や取り外し検出のラグが少なく、瞬時に再生/停止を行えるのが本イヤホンの特徴となります。
パフォーマンス
■音質
高音域 | 4.0 |
中音域 | 4.5 |
低音域 | 4.0 |
解像度 | 3.5 |
迫力 | 4.0 |
音場感 | 4.0 |
一番の特徴はボーカルの声がしっかり前面に出ていることです。目の前で歌っているような感覚や息づかいを味わえます。楽器よりもボーカルをメインに聞きたい人に向いているイヤホンだと感じました。
解像度はそこまで高くないです。細かい音を聴いたり、音の分離を楽しむイヤホンではなく、全体的なバランスの良さを大事にしている印象です。
よりバランスを取るために、低音域のバスドラムや高音域のトランペットなどの楽器で奥行きのある音場感を演出しています。楽器ごとで音場感が異なるので、音楽ジャンルによって聴こえ方が変わってきます。
ドスンドスンと迫力ある低音も程よくあり、長時間のリスニングでも耳が疲れない絶妙な調整がされています。
■遮音性
遮音性 | 3.5 |
交換用イヤーチップはサイズがS/M/Lと豊富なので自分の耳に合ったものを選ぶことができ、遮音性が良く音漏れしにくい印象です。
ただ、音量次第では当然音漏れが発生します。電車内など人との距離が近いシーンでは、適切な音量設定を心掛けましょう。ANCでノイズを低減すれば、低い音量設定でもしっかり音楽を聴くことができます。
■フィット感
フィット感 | 4.0 |
先程記載した通り、サイズの異なるイヤーチップが付属されているので、フィット感が良く日常使いでイヤホンが落下することはなかったです。試しにランニングでも使ってみましたが問題ありませんでした。
ANCやアンビエントサウンドモードのON/OFFでイヤホンを頻繁にタッチしても、耳からズレたり外れることはないです。また、ボタンではなくタッチ式なので内耳を傷めにくいといった特徴もあります。
■バッテリー
バッテリー | 3.5 |
イヤホン単体で約5~6時間ほど連続で使用できました。メーカー公称値が5時間なので妥当と言えます。ただ、ANCを常時ONで使用すると連続使用時間が約4時間と少し減少します。
通勤・通学での使用がメインであれば特に問題ないですが、デスクワークで長時間使う人にとっては少し物足りないかもしれません。ANCやアンビエントモードなどの機能は、必要な時だけONにするなど使い方の工夫が必要です。
充電ケースで約4回分イヤホンを充電できます。休憩時に充電ケースに入れるクセを付けておけば長時間使用でもバッテリー切れの心配はなさそうです。充電残量が分かるようケースにメモリが付いてます。ケース開閉することで点灯する仕様です。
また、Urbanista LONDONはQi規格のワイヤレス充電にも対応しています。同梱されているUSB-Cケーブルが約20cmと短めなので、思い切ってワイヤレス充電器を購入してもよさそうです。
■接続安定性
接続安定性 | 5.0 |
朝夜の通勤時に山手線を利用するので、満員電車環境で検証を実施。
iPhone12との接続(AAC)において、音途切れや接続切れなどが発生することなく音楽をしっかり再生してくれます。もちろん屋内で長時間使っていても接続は安定します。
過去に使っていたiPhone6Sでも接続安定性に問題はありませんでした。当然ですが親機に左右されることなく音途切れは発生しません。
Bluetoothのバージョンが 5.0と比較的新しく、これも安定性に貢献していると考えられます。
■遅延
遅延 | 3.0 |
YoutubeやTwitchなどで動画を楽しむ分には問題ないですが、ゲームジャンルによっては映像と音に遅延を感じることがあります。
特にFPSや音ゲーで遅延による違和感を感じました。そういった用途で設計されていないことは理解しているので、ゲーム用には別のイヤホンを用意したほうが良いです。
対応コーデックがSBCとAACなので、ゲーム用にイヤホンをお探しの人はaptX LLに対応したものを選ぶといいでしょう。
コーデックについてわからない人はこちらの記事を参照してみて下さい。
【SBC/AAC/aptX/LDAC】どのBluetoothコーデックが遅延・音質において優れているのか
評価一覧
高音域 | 4.0 |
中音域 | 4.5 |
低音域 | 4.0 |
解像度 | 3.5 |
迫力 | 4.0 |
音場感 | 4.0 |
遮音性 | 3.5 |
フィット感 | 4.0 |
バッテリー | 3.5 |
接続安定性 | 5.0 |
遅延 | 3.0 |
総合評価 | 4.0 |
まとめ
ANCやアンビエントサウンドといった豊富な機能を備えたurbanistaのフラッグシップイヤホンをレビューしていきました。個人的に気に入った点は、ボーカルをしっかり楽しめる臨場感の高さです。男性や女性のボーカル関係なく、様々なジャンルの音楽に対応できます。
また、耳検出機能が素晴らしく装着/取外しの検出速度が恐ろしく速いです。音楽を自動で再生/停止してくれ、スマホでの操作がいらなくストレスフリーで音楽を楽しめます。
15,800円とミドルスペックの値段帯ですが、ワイヤレスイヤホンの初心者から上級者まで満足できる性能だと感じました。