評価 | 4.0 |
本稿では、1月21日に発売された「有線ピヤホン2(HSE-A2000PN)」のレビューをお届けします。凛として時雨のドラマーであるピエール中野さんチューニングのイヤホンであり、従来機とは違った音質となっています。
以下のような特徴がありますが、一番の特徴は「迫力ある重低音」です。
- 解像度の高いハイレゾ音質
- 高級感のあるアルミ削り出しハウジング
- ロゴ入りケースとクリップが付属
音質や遮音性など優れた点が多いにも関わらず、3,600円(税込)という低価格を実現しています。この重低音に負けない中音と高音も備えており、商品コンセプトの通り、「聴けば聴くほど心地よくなるイヤホン」となっています。
音楽のリスニング用として作られていますが、ゲームにも向いているイヤホンだと思いました。レースゲームでは車のエンジン音が体全体に響いてくるため、臨場感が半端なく出ます。
製品仕様とスペック
ドライバーサイズ | φ8mm ダイナミック型 |
周波数帯域 | 5~40,000Hz |
インピーダンス | 16Ω |
音圧 | 92dB |
重量 | 10g |
接続 | 3.5mmステレオミニプラグ |
カラーはガンメタとピンクの2種類。本レビューは「ガンメタ」で行っています。ちなみにカラーによる性能違いはありません。
もう一つのピンクも非常に可愛く捨てがたい
ガンメタは、ハウジング部分が黒光りしており高級感のある仕上がりです。付属のイヤーピースも少し透けているグレーが採用されています。
パッケージと内容物
ピエール中野氏ではお馴染みの「バイブスくん」を採用したパッケージです。
前面が開くタイプであり、ドライバーユニットの解説付きとなります。
パッケージから取り出すと、ピエール中野×Hi-Unitと印字してあるケースから本体が少し出ている状態となっています。実はイヤホンがしっかり収まっているので、取り出す時に断線させそうで怖かったです…
内容物は有線ピヤホン2本体、ケース、クリップ、イヤーピース(XS/S/M/L)となります。3,600円でここまで付いてくるなんて素晴らしい企業努力です。
パフォーマンス
■音質
高音域 | 4.0 |
中音域 | 3.5 |
低音域 | 4.5 |
解像度 | 4.0 |
迫力 | 4.5 |
音場感 | 3.5 |
冒頭での記載通り、体の芯にまで響くような重低音が一番の特徴です。迫力も十分ありますが、引き締まった低音のためずっと聴いていても疲れが出ません。これを3,600円のイヤホンが実現できるのが素晴らしいところです。
この価格帯でここまで気持ちよく聴ける低音はないと思います。
そして、それに負けじとクリアな中高音を奏でており、全体的にバランスが良くなっています。
ハイレゾ対応のため、解像度も高めです。低音~高音にかけて、いままで聴けなかった楽器や声がスッと耳に入ってきます。ドラムやシンバルなどの楽器の響きをしっかり存分味わえます。
音場感についても前面に低音があり、その後ろに高音・中音がいるようチューニングがなされています。これによりボーカルが低音に負けることがあり、曲によってはもう少しボーカルが欲しいと感じる場面が出てきます。
PS5やPCゲームで使用したときに、迫力ある低音との相性はバッチリだと感じました。一方、FPSなどで銃声や足音の位置は分かりにくく、そういった目的での使用はあまりオススメできません。冒頭でも記載しましたが、レースゲームでの臨場感は素晴らしいです。本当にレース会場にいるかのようなエンジン音を味わえます。
■遮音性
遮音性 | 3.5 |
交換用イヤーチップはサイズがXS/S/M/Lと豊富なので自分の耳に合ったものを選ぶことができ、遮音性が良く音漏れしにくい印象です。
ただ、外からの音が結構入ってくるので、電車内のようにノイズが大きい場所では向いていません。家でじっくりリスニングする用途と割り切った方がいいです。(そのためにアクティブノイズキャンセリング搭載のイヤホンがあるのですから…)
または、パッシブノイズを軽減できるイヤーピースを別途購入するのも有りかと思います。私のオススメはALZA SednaEarfitです。ノイズ軽減だけでなく、有線ピヤホン2の低音がより増す効果もあります。
■フィット感
フィット感 | 4.0 |
イヤーピースを装着する部分の口径が大きめに作られており、耳にすっぽり埋まるフィット感を実現しています。ちょっと頭を振ってもズレることはないです。
私にはピッタリでしたが、外耳道の入口(イヤーピースが触れる部分)が小さい人には少し圧迫感を感じるかもしれません。懸念のある方は、試聴して確認した方がいいでしょう。
■ケーブル
ケーブル | 3.5 |
軽くてコンパクトなハウジングに合わせて、しっかりとケーブルが接合されています。少し負荷が掛かった程度では断線しにくい印象です。イヤホン着脱時に負荷が掛からないよう、考慮して作られています。
逆側のストレート型プラグの方は、負荷により形状が変わりやすく、適当に束ねて鞄の中にポイっとすると断線になる可能性が高そうです。そのため本製品には携帯用のケースが付いているのだと感じました。
試しにPS5のコントローラーに付けて使ってみましたが、体に少し触れるだけで形状が変わるくらいケーブルは柔らかいです。スマホやDAPに付ける際も注意が必要です。
服の擦れによるタッチノイズもそれなりにあるので、外出先で使うより家でゆったりする時用の方が向いています。
タッチノイズを軽減できる付属のクリップは、そこまで効果が高くなく過度の期待はしない方がいいです。気持ち減るかな…程度です。
■コスパ
コスパ | 4.5 |
低音の強さやハイレゾらしい高解像度の音質を備えており、とても3,600円とは思えない高コスパを実現しています。恐るべしピエール中野チューニング。
10,000円以内で低音重視のイヤホンをお探しなら間違いなく買いでしょう。加えて携帯用のケースやノイズ軽減クリップなども付属するというのも驚きです。
低音が強すぎるのが苦手な人も一度聴いてほしいです。他の低音重視のイヤホンには無い、厚みがあるのに締まった音なのでストレスに感じることなくリスニングに集中できます。
評価一覧
高音域 | 4.0 |
中音域 | 3.5 |
低音域 | 4.5 |
解像度 | 4.0 |
迫力 | 4.5 |
音場感 | 3.5 |
遮音性 | 3.5 |
フィット感 | 4.0 |
ケーブル | 3.5 |
コスパ | 4.5 |
総合評価 | 4.0 |
まとめ
有線ピヤホン2の発売前に試聴する機会があり、非常に安価なのでそこまで期待せずに聴いたのですが、一目惚れならぬ一聴き惚れをしてしまいました。
やっぱり低音の質と量感がとんでもなく良いんですよ。1万円出してもここまで良い低音に巡り合える機会は滅多にないと思います。
第一印象は「素晴らしい重低音」でしたが、購入後にしっかり聴き込んでみるとクリアで解像度の高い中高音との相性も良く、聴き疲れが出ない印象を受けました。
断線を防止する持ち運び用ケースやノイズ軽減クリップも付属するので、長い間愛用して欲しいという開発側の気持ちが伝わってきました。
気になったのであれば、試聴できる店舗で聴いてみて下さい。きっとびっくりすると思います。ちなみに私はeイヤホンの秋葉原店で試聴しました。(入口付近に特設ブースがありました)